東豆土木株式会社

『熱海と花火』(三建だより コラム「小窓」) 2007-08-01

この夏「熱海海上花火大会」が七回にわたって開催されました。
網代地区や伊豆山地区などを合わせれば、サマーシーズンに開催される熱海市内の花火大会は実に十二回を数えます。
花火といえば夏の風物詩ですが、今年は春に二回、秋・冬に各三回が予定されていて、熱海はさながら「花火天国」なのです。

そこで熱海の花火大会の魅力をお伝えしたいと思います。

その1:うってつけの地形
「劇場型」の地形といわれ、前が海、残る三面を山に囲まれたすり鉢状の地形。
音響効果抜群のうえマリーナやホテル群が花火の明かりで浮かび上がる演出効果がある。

その2:体感的
親水公園付近で鑑賞すれば首が痛くなるほど真上に上がり、くわえてズシンとくる振動も味わえます。
まさしくライブコンサート。
特に冬の花火は空気が乾燥しているため音響効果がバツグン。

その3:アナウンスが少ない
協賛の紹介が少なく司会進行のトークも簡素。
ここは好みも分かれるけれど、純粋に花火を楽しんでーというスタンスが見受けられる。

私もこの夏は三回鑑賞しました。
終了後の清掃奉仕目的もあって鑑賞とは言いがたいのですが、さすがに何度も観ているとありがた味や感動が薄れはじめるのも事実。
やれ今日は風向きが良くないとか、見物客のゴミ捨てマナーはどうだったとか、批評眼ばかり養われていささか物悲しいのです。
それでもラストを飾る大空中ナイアガラは何度見ても息を飲むし、観光客の歓声を耳にするのも気持ち良いものです。

ところで、熱海で花火大会が開催されたのは昭和二十七年からで、発端は台風や各種災害による被災に対する弔いと癒しだったとのこと。
昭和二十四年の「キティ台風」で約百四十戸の家屋が流失した高波災害に始まり、翌年には「熱海駅前火災」、その十日後には中心街の約千戸が焼失した「熱海大火」と立て続けに災害に見舞われたのですが、
復興に向けた地元市民による努力に報いるべく花火を打ち上げたのが始まりでした。

そうなのです、最初から「熱海=観光地=花火大会」であったわけではなく、元々は被災によって疲弊した市民への癒しと復興への意気昂揚のために開催されたのです。
現在は観光イベントの要として定着した一方で、開催しすぎだとか生活者にとっては騒音だという声も毎度のように聞かれるのですが、先に述べた立地条件の良さや歴史もあり、回数の多寡は別にして、熱海から花火の音が途絶えることは想像し難いでしょう。

一市民としては観光地としての華やかさの裏で、これからは追悼や癒しの気持をもって花火を見つめていたいと思います。