忍者女子高生
「忍者女子高生」ってご存知?
二人の女子高生が忍者よろしく“追いかけっこ”をする3分ちょっとの動画。 ・・・と書くと無味乾燥きわまりないけれど、この夏Youtubeで配信されると同時に注目され、わずか1ヶ月で500万回を超える再生回数を記録したという話題の映像。 ちなみにAKB48のミリオンセラー曲が4ヶ月で約450万回とのこと、その威力がうかがい知れる。
実はこれ、大手飲料メーカーによる炭酸飲料のCM。 最後の最後まで広告とは思わせない展開、世界的にシェアされ拡散したこともあって、その広告効果はおよそ一億円だとか。
そしてこの映像の舞台となったのが熱海市内。 市内の学校にはじまり、来宮神社、熱海城、市役所、裏小路の飲食店街、サンビーチが現れる。 市民として見慣れた風景が世界中の人々に閲覧されたかと思うと何だか痛快だ。
この広告に限らず、最近とみに「熱海」のメディア露出が増加しているとは巷の評判。 旅やグルメからドラマに至るまでのテレビ番組、さらには映画のロケ地として登場するなど話題には事欠かない。
「はて、熱海に大規模なフィルム・コミッションなぞあっただろうか?」と思きや、これは熱海市が『ADさんいらっしゃい!』と銘打ち、一昨年前から取り組んでいるシティ・プロモーションの成果だった。
「忍者女子高生」もこのロケ支援活動によるものであり、“無料・迅速・24時間対応”などを売り文句に、ロケハン同行から公共施設での撮影申請補助までを徹底的にサポートして、制作担当者の痒いところに手が届くと好評を博しているのです。
この誘致政策、驚くべきことに市の担当職員はたったの一人。 全権委任によるスピード感とディープな情報源の提供は、制作者側から見ればとても新鮮に映ったに違いない。
市内の名所旧跡にはじまり、旅館・食事処・土産物店までが全国的(あるいは世界的)に紹介されることは、観光地としてこの上ないメリットだ。 さらにはロケ中の経済波及効果も大きく、一例として公開予定映画のロケ10日間で宿泊人数延べ764名、ロケ弁当2千食、監督主催パーティ2回、さらにスタッフ個々の外飲食をもたらした。
ちなみによく利用されているロケ地は三つ。 ①渚親水公園とサンビーチ ②駅前の商店街 ③ひもの通りを含む網代の町
近代的なコースタルリゾート、昭和風情の残るアーケード街、そして歴史ある漁師町、とコンパクトな街ながら実に多くの表情を有している熱海が、いかにロケに適したまちであるかということに気づく。
広告の世界も観光の世界も通り一遍の方法論だけでは通用しない時代。 ロケ誘致と観光誘致を重ねながら「あらゆる資源を提供する」という態度が必要なのはいうまでもない。