熱海と花火
熱海の海上花火大会がこの夏7回にわたって開催された。 網代や伊豆山などを合わせれば、夏に開催される市内の花火大会は実に12回を数える。 花火といえば夏の風物詩。 でも熱海では夏以外でも春に2回、秋と冬に各3回打ち上げられ、さながら「花火天国」だ。
そこで私の思う「熱海花火大会の魅力」をお伝えしましょう。
その1:うってつけの地形 「劇場型」といわれ、前が海、残る三面を山に囲まれたすり鉢状の地形。 音響効果抜群のうえ、マリーナやホテル群が花火の明かりで浮かび上がる演出効果がある。
その2:体感的 親水公園付近で鑑賞すれば首が痛くなるほど真上に上がり、くわえてズシンとくる振動も味わえる。 特に冬の花火は空気が乾燥しているため音響効果がバツグン。
その3:アナウンスが少ない 協賛の紹介が少なく司会進行のトークも簡素。 ここは好みも分かれるけれど、純粋に花火を楽しんで〜というスタンス。
私もこの夏は3回鑑賞。 終了後の清掃奉仕目的もあるので鑑賞とは言いがたいけれど、さすがに何度も観ていると、ありがた味や感動が薄れはじめるのも事実。 やれ「今日は風向きが良くない」とか、「見物客のゴミ捨てマナーは◯◯だった」とか、批評眼ばかり養われて物悲しくなったり。 それでもラストを飾る大空中ナイアガラは何度見ても息をのむし、観光客の大歓声を耳にするのも気持ち良いもの。
ところで、熱海で花火大会が初開催されたのは昭和27年で、その発端は台風や各種災害による被災に対する「弔いと癒し」だったそう。 昭和24年の「キティ台風」(約140戸の家屋が流失)、翌年の「熱海駅前火災」、その10日後には「熱海大火」(中心街の約1000戸が焼失)、と立て続けに災害に見舞われ、復興に向け花火を打ち上げたのが始まり。 そう、最初から「熱海=観光地=花火大会」であったわけではなく、元々は被災によって疲弊した市民のために打ち上げていたのだ。
これからは、追悼と癒しを経過して今の華やかさがあるんだよと思いつつ観たら、その景色も変わるんだろうな。