島の距離感
他県ナンバーの車が少なくなったと感じる頃に、夏休みが終わる。 あらためて観光地の住人であることを実感している今日この頃。
この夏はプチ旅行さながら、熱海の海むこうにある「初島」へ一泊してきた。 初島は静岡県唯一の有人離島で、熱海港から定期船に乗って約30分で到着する。 周囲約4㎞・面積44ヘクタール(13万坪)ほどの小さな島で、「相模灘の真珠」なんて呼ばれていて、地元民ではあるが時おり島へ出かける。
今回、宿泊はオーシャン・ビューの近代的なホテルで、夕食は知り合いの島民が営んでいる食堂でという変則コースに。 チェックイン後はホテルのプールや展望風呂などでリラックスし、夜は夜で新鮮な魚介類に舌鼓を打つという、なかなか小洒落た一日となった。
ところで初島にいると、陸からわずかしか離れていないにもかかわらず、島にいるという開放的気分と、海を渡るという不安が交錯する。 天候不順でフェリーが欠航するかも知れない、すぐに帰れないかも知れないということだけで不安になってしまうのだ。 ホテルの部屋でいつものニュース番組をみていたのに、次の日に帰宅して「何か大きな事件なかった?」とつい家人に尋ねてしまうおろかさ。 海を挟んだ島と陸との微妙な距離感が、そんな錯覚を引き起こすわけだ。
考えてみれば、そんな非日常を味わえる島が市内にあるのはありがたいことかも知れない。
一方で、近隣の伊豆諸島では地震や噴火が頻発してニュースを賑わせている。 島に住む人たちが常に感じているであろう自然への畏怖が、ほんの少しだけでも共感できた私の夏休みだった。